昨年の総選挙直前に、民主党を離れ、未来の党に参画した初鹿氏。
今回のオリンピク招致に関する、この人の主張に共感する人は多いのではないでしょうか。
安倍自民党は、完全に原発マフィアの子飼い。 優先順位が間違っている限り、どんなにマネーをつぎ込んでも、イノチは、まともに扱われない。
日本のメディアを完全にコントロールするつもりでしょうが、全世界はできない。というよりも、完全に敵に回します。狂っているのは、安倍と原発マフィアのやり方です。どんな形、どんな程度、どんな次元で、「冷や水」が浴びせられるのでしょうか。
初鹿氏のブログ http://www.hatsushika.net/modules/d3blog/details.php?bid=364
以下転載します。
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水をさすようですが:
昨日の早朝、2020年のオリンピック開催地に東京が選ばれました。このニュースに多くの国民が喜び、大きな期待を寄せていることと思います。そんな時に水をさすようですが、私は日本にとって本当に良かったのか、そして、開催に当たって心して欲しいことについて警鐘を鳴らしたいと思います。
そもそも、私は2011年12月6日の衆議院本会議でオリンピック招致決議の採択が行なわれた際に、民主党議員でただ一人、反対し起立せずに座ったままでいました。
私はスポーツが嫌いな訳ではありません。むしろ好きな方です。恐らく、普通の人よりも遥かに多く、野球、サッカー、アメフトなどプロスポーツを高い入場料を支払って観戦しています。しかし、他にやることが沢山ある中でなぜ今東京でオリンピックを今やらないといけないのかが自分の中で納得させることが出来ずに反対することにしました。
石原前都知事が突然2016年の五輪招致を打ち出した時、私は都議会議員でしたので、その時も、招致決議に当時の都議会民主党の賛成の決定には従うことが出来ないと退席しました。
賛成派に方々からは、子ども達に夢や希望を与えられるのになぜ?とか、五輪開催により大きな経済効果が得られるのになぜ?などと疑問を投げかけられることが多くありましたが、開催によるデメリットや財政的な負担などを考えてやるべきではないと判断したのです。
だから闇雲の招致に賛成してきた政治家の面々が気付いていない、もしくは気がつきながら目を瞑っていることを指摘したいと思います。
以前よりずっと我が国の問題のひとつが東京一極集中だと言われ続けてきました。これを是正することがバブル崩壊以降の日本の課題の一つであったはずです。しかしながら、五輪を開催するとなると東京に集中的に投資をすることになり、一極集中はより進むことは明らか。また、ヒートアイランド現象が問題だと言いながら、風の道をふさいでしまう臨海部に高層の選手村を建設することも当初の予定ではありました。一方で大きな問題だと言っていることが、五輪ということになると無かったことのようになってしまうことに危惧を持っています。
まさに、今回の開催に当たって上記のようなのことが起こり始めていると指摘したいと思います。
今回の招致に当たって日本にとって最大の懸案は福島第一原子力発電所の事故がIOC委員の投票に影響を与えないかということでした。海外メディアからの質問も五輪の中身よりも汚染水の問題などほとんどが原発事故絡みだったと言います。こうした中、安倍総理は「フクシマについてお案じの向きには、私から保証します」「健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と言ってのけ、招致を勝ち取りました。記者団に対して「誤解は解けた。世界で最も安全な都市だという理解はいただいた」と自信たっぷりにいったそうです。
既に子どもの甲状腺がんが18名出ている中で、健康問題はないと言いきってしまって良いのでしょうか?当事者やその家族が聞いたらどう思うのでしょうか?
汚染水の問題も完全にコントロールできていると言い切れるのでしょうか?多くの国民はそれは違うということを分かっているのではないでしょうか?
それでも自信を持ってこう言い切ってしまって、大きなつけが回ってくるのではないかと感じています。これで、政府の側からすると原発事故の問題がクリアされたということになり、皆さんの意識の中からも少しづつ忘れられていくことにならなければいいなぁと懸念を持っています。
五輪開催が東北の復興にも資するという主張をする方もいますが、実際にそうなのでしょうか?
震災からの復興はまだまだ進んでおりません。これは高台移転などの復興計画を自治体が中々決め切れていない等の理由がありますが、財政的な制約があることも事実です。また、公共工事が同時並行で大量に発注されているために、人材不足が深刻で東京からも多くの建設職人の方々が東北に行っているように予算はついても工事に取り掛かれないという状況も生まれてきていると聞きます。
こういう状況の中で、五輪のために約1300億円で改築する国立競技場をはじめ約20の施設の整備や改修が行なわれるとなると財源も人材も被災地と奪い合いになるのではないでしょうか?
東京都も五輪開催の為に積み立てをしていると言いますが、到底間に合う金額ではなく国費の投入も多額になることでしょう。税収が上がらなければ、今ある中から分配をすることになる訳で、五輪の為に使うなら被災地の為に使って欲しいと思うのは私だけなのでしょうか?
大型公共工事が増えれば日本経済が上向くではないかという主張をされる方もいます。私もそれは全て否定するつもりはありません。しかし、そこで産まれた富がどこに行くのかも考えないとならないと思います。それが広く日本国民に配分されて行くのであればいいのでしょうが、国立競技場の設計をコンペで落としたのがロンドンを拠点に活動しているイラク出身の建築家であることを考えると、普通の国民にはあまり還元されないように感じます。
また、東日本大震災発災以降、首都直下型地震や東海、東南海地震への不安が増しています。首都直下地震については、今後4年間に50%以上の確率で発生するという試算も出ており、政府や自治体は国民の不安を煽って防災の為ということで大型公共事業を進めたりしています。大地震が来る可能性が高いから、「堤防を強化しないと」「ダムも必要だ」「あれもこれも作らないと直さないと」と言っている同じ口から、東京は世界で一番安全な都市だからと言って五輪を招致した…大地震が明日にも来るように国民を不安にしていて、一方で、東京は安全だからというのは、明らかに矛盾しているのではないでしょうか?確かに自然災害はいつ起こるか予測が出来ないものであるから、イスタンブールだって、マドリードだって五輪までに起こる可能性はゼロではないでしょう。でも、今の日本ほど国民に大地震があるかもしれないと危機意識を煽っている国はないと思います。五輪開催の7年後まで大地震が来ないことを祈るばかりです。
五輪招致のプレゼンで竹田招致委員会理事長は財政面での強みを強調してイスタンブールとマドリードの弱点をついていました。他の2都市と比較すれば財政的には優位なのかもしれませんが、ちょっと待ってと思いませんか?
なぜなら、今まさに日本の財財政がひっ迫しているから消費税を上げようとしている最中です。国民には国の財政が持たないから消費税を引き上げますと言っている一方で、五輪招致では日本が一番財政的には安定してますよと言う。これも矛盾しているように感じるのは私だけなのでしょうか?
五輪開催の資金は税金以外の資金も必要でそういう意味では多国籍企業が多く集まっている東京は優位なのでしょう。しかしながら、インフラの整備を中心に国や都の財政で賄う部分が大量にあることも事実で、財政状況が厳しいから増税と言いながら、インフラ整備などに税金を投入していくことにはやっぱり疑問が残ります。
五輪開催で国民の皆さんが素直に喜ぶことはいいと思います。
しかし、政治家は浮かれるのではなく、今やらなくてはならない多くの課題の解決も図りながら、新たに五輪の成功も果たさなくてはならないという、7年後に重い宿題を背負ったと考えて欲しいです。五輪開催がプラスの方向に進んでいけばいいのですが、浮かれてしまって、少子高齢化や社会保障費の増大、都市の過密と地方の過疎、格差の拡大など、今の我が国の抱えている問題を忘れないで欲しい、心からそう思います。
少なくとも原発事故の処理に関しては世界の国に絶対安全だと宣言してしまったのだから。これが覆ってしまうようなことになったら国際社会での信頼は失墜してしまうのは間違いありません。
限られた財源と人材の中で、被災地の復興と五輪開催のためのインフラ整備を両立しなくてはなりません。五輪開催により景気浮揚が見込まれるとはいっても開催は7年後。来年には消費税が上がることを考えると直ちに景気回復による税収増が見込まれるとは期待できません。そういう中で、被災地の復興をやり、東京のインフラ整備をやるというのは至難の業ではないかと思います。まさか、この両立を図るために社会保障の切り捨てなどしないことを願うばかりです。
また、経済が活性化し景気が上向くといっても、大手広告代理店やインフラ整備を請け負う大手ゼネコン、そして、ノベルティグッズ等の販売が出来る大手企業は利益があるでしょうが、それが中小まで波及していくのかというと大きな期待は出来ないように感じます。
そして、これは天に祈るしかないのかもしれませんが、7年の間に首都直下の大地震が起こらないで欲しいです。でも、これは祈る以外何も出来ませんね。
最後に…開催が決まってしまいましたが、でも、やっぱり私は日本で開催するにしても東京ではなかったのだと思います。
どう考えてもこれから7年間は東京に投資が集中し、日本の中では東京1人勝ちとなってしまうでしょう。人々の意識も楽しいこと、夢があることの方に向かいがちで、今後は五輪の陰に隠れて、ますます被災地は忘れられて行ってしまうのでしょう。
それが今の日本の進むべき方向だとは思わないからです。
今さら言っても仕方ありませんが、2040年代以降のどこかで、仙台など被災地で開催出来れば、本当の意味で日本の復興を世界に示すことになったのになぁと思う次第です。
以上、五輪開催決定に際し、私の思いを綴りました。異論のある方もいらっしゃると思います。夢や希望を与える五輪が来るのだから無条件に喜べないのかという批判もあるでしょう。経済の起爆剤になるのだからいいじゃないかと考える人もいるでしょう。
でも、私は未だに生活が安定しない仮設住宅で暮らしている被災地の方々、原発事故の影響で故郷を離れ帰れるのか帰れないのかも分からずに暮らし続けている福島の方々、福島原発の事故処理のために危険な中で頑張って働いている方々、そういった方々のことを考えるとオリンピックだと浮かれている場合ではまだないと感じるのです。
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