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Channel: 新井信介 「京の風」バックナンバー
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安倍首相は小泉内閣時代、満州事変とポツダム宣言を誤認していた。葛西敬之とお仲間は同じ認識のままでも、外務省は何をしていた?大恥かかせた上に、対外信用を落としたぞ。

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  5月20日の党首討論で共産党の志位和夫委員長は、宣言が日本による世界征服の野心に言及していることに触れた。 これに対して、安倍首相が以下のように、平然と答えた、

“「つまびらかに読んでおらず、承知していないので論評を差し控えたい」。” 

 これは、日本国の総理として、絶対に言ってはならないセリフです。 これは、大恥であると同時に日本国政府の信用を著しく貶める発言です。 

元々、この人物の歴史観はとても浅く、私情が優先する偏ったものだったが、それがまるで進歩・成長がないままであることを露呈した。 (安倍なら、当然って言えば当然だが、ことは国家の信用に係る)。

小泉内閣のあとに、指名されて総理に成った安倍晋三。そのとき、戦後の総決算、美しい国と言い出した。しかし、その時点で、戦後がどのように始まったのか? きちんと学んでいなかったようです。

1年をまたずに辞任し、そのあとの民主党政権時代、屈辱の中にあったが、テレビ番組に喜んで出ても、戦後の日本を決定づけた、満州事変とポツダム宣言について、自説が正しいのかどうか、謙虚に検証していなかったようです。

安倍は2012年の12月に政権についたが、周りにいる「お仲間」、そして、師匠役の葛西敬之さんも、安倍の戦後世界観を語る上で、この二点がアキレス腱になるとの認識がなかったようです。それよりも、悲しいの外務省の怠慢です。

首相になる人間が、過去にどんな発言をしてきたか? どんな歴史認識をしてきたのか? これを、きちんと、調べておくのが、情報部の仕事です。外交的にボロを出さないためにも、最低限必要なことです。 国会で、首相自らが「ポツダム宣言を、詳らかに読んでいない」 といった時点で、 これは、終です。失格です

 これまでにも、安倍普三が、小泉内閣時代に、したり顔で事実誤認を露呈してきたことを、ネットの住人は見逃しません。

 ほんとうに、自らすすんで「勉強(真実を探求)していない」のです。 お仲間からの「耳学問」で、これまでの人生を過ごしてきたのでしょう。

ブログ 〈どこへ行く、日本 5月23日) が紹介しています。それを参考に以下を書きます。

 http://blog.livedoor.jp/gataroclone/archives/44150013.html

まず、安倍晋三は、2005年の時点で、

満州事変での満州占領と、第一次世界大戦での青島占領を 混同している。・・・①

次に、 ポツダム宣言(提示と受諾)と、原爆投下の関係性を 間違えている。・・・②

 この事実誤認は、政治家が現代史や国際政治を語る上で、致命的欠陥です。

 で、それをみていきましょう。

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①は、志位共産党党首との対談です。 2005年にサンデープロジェクトで本気でこんなことを言っている。

 (アジア諸国民の二千万人以上の犠牲――この痛みへの理解がない)

  志位 そういうことを問題にすること自体が問題だということを言われたんですが、この戦争でアジアの国々で二千万人以上の方が犠牲になっているんです。

 この戦争がはじまったのは、どこを起点にするかはいろいろあるでしょうけれども、一九三一年の「満州事変」で「満州」(中国東北部)に攻め入った。攻め入って、「満州国」をつくった。一九三七年に日中戦争へと全面的拡大をやって、一九四一年に太平洋戦争という形で、東南アジア全体に(侵略を)広げた。

 安倍氏 満州は攻め入ってつくったわけではないですよ。

 志位 関東軍が攻め入って「満州国」というかいらい国家をつくったわけです。その全体のなかで、二千万人という方がなくなっている。

 安倍 満州に対する権益は第一次世界大戦の結果、ドイツの権益を日本が譲り受けた面がありますよ。

 志位 ちがいます。日本の関東軍のように「満州」全体に攻め入って、かいらい国まででっちあげた国は日本しかないのです。

 安倍さんの議論のなかには、あまりにも痛みを受けた側の民族の苦しみにたいする理解がないと思います。国内の問題だったら、時がくれば忘れられることがあるかもしれない。しかし、他の国の民族から加害を受けた、そして侵略の傷跡が残った、これは必ず親から子に、子から孫に伝わっていくんです。

 安倍 志位さん、まちがっている。

 志位 たとえば、日本国民は広島、長崎を絶対に忘れないでしょう。私は、忘れてはならないと思う、この被害は。これを忘れてはならないのと同じように、アジアの人たちが日本の軍国主義で殺された、虐殺された、この加害の歴史を忘れてはならない。  

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次に②は、 PHPの雑誌「VOICE」 2005年7月号に記された 葛西敬之(JR東海会長)との対談。 

  「日中は政冷治経熱で丁度どいい(これからの日中関係を考える」 というテーマで両者は話し、ここで、

  安倍普三は、 こういっている。

 「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を2発も落として日本に大変な惨状を与えた後、「どうだとばかり、叩きつけたものです。そんなものを持ちだして、自分自身が戦勝国であるかのような態度で、日本の総理を攻め上げる」

 しかし、現実は、ポツダム宣言は、原爆が落とされる前の、7月26日に提示されているのです。

このことを、きっこのブログさんは、

 「おいおい安倍さん、「ポツダム宣言を受諾しなかったから、原発落とされたんだよ」 と。 

 私も、小中高でそう習っていたのですが、いつから、安倍普三は、こんな理解になったのか?

日本の外務省は、政権にいる政治家で、しかもすぐ先の未来に総理になる人間が、国家の基本事項を間違ってるのを知っていて、なにも進講しないまま、恥をかかせたのです。 しかも、それが自分たちの大失態であるとも理解できないのです。

 こうした基本を抑えないまま、NSA 国家安全保障局とか、安全保障に関わる特定秘密保護法案とか、本当に、お笑いもの。 これ、本当に、恥ずかしいよ。

 日本版のCIA長官をつくるとしたら、まず、こういうことから、きちんと指導できる人間にしないと。

 奥の院の爺様。 もう、無理ですよ。 そして、官僚も、緩みきっていますよ。


 それにしても、今年の年頭所感で、平成天皇が「満州事変からの歴史を学ぶことは極めて重要」 と言っていたのは、すぐ横にいる、時の首相があまりに愚かであり、しかも、官僚たちが国家の基本を忘れている事実に対し、本人たちに向かって、「いつまで、お前たちは、思い上がっているのだ」と 気づかせる意味もあったのでしょう。 側近どももまとめて、 処分しないといけません。

 


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